東邦金属株式会社

技術開発 | 技術開発情報

マグネシウム関連

マグネシウム関連
近年注目を集めるマグネシウム合金。
中でも熊本大学が開発した新奇なマグネシウム合金“KUMADAIマグネシウム合金”のワイヤー化に特化した線引加工技術の開発を行っています。

マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発(当社の線引加工技術を応用)

概要

近年⽬覚ましい発展を⾒せるマグネシウム合⾦は、実⽤⾦属中最軽量である密度(1.74g/㎝3)、⾼いリサイクル性、⾼い振動吸収性、良好な電磁シールド性、⽣体吸収性など多くの優れた特性を有する材料です。

発⽕点や耐⾷性の低さがネックでしたが、熊本⼤学によって開発された“KUMADAIマグネシウム合⾦”において⼤幅に改善。更には超々ジュラルミン(アルミニウム合⾦A7075)を凌駕する強度も有しています。

この画期的な特性を有するKUMADAIマグネシウム合⾦を、当社がタングステン・モリブデンで培った線引加⼯技術を応⽤し、世界で始めてKUMADAIマグネシウム合⾦の直径0.03㎜までのワイヤ加⼯技術開発をするなど、当社既存技術の新材料への応⽤を展開しています。
(複数の特許取得済)

課題

当社は、世界で初めて細線化の製造に成功しましたが、汎⽤合⾦含め、マグネシウム合⾦ワイヤがまだ世間に流通・認知していないこともあり、以下の課題があります。

  1. 具体的案件の獲得
  2. 事業化に繋がる⽣産体制の構築
  3. 市場の早期開拓

マグネシウム合⾦ワイヤはまだ広く認知されていないだけで、先述の画期的な特性から⼤きなニーズを秘めています。

当社では今後早期事業化を⽬標に、課題点の克服を急ピッチで進めています。

機械的強度
マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発
発火温度
マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発 マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発

取組み 線引き加⼯

当社保有の線引加⼯技術をベースとし、マグネシウム合⾦の特性に合致した加⼯治具の選定、加⼯温度・熱処理温度等の加⼯条件を⾒出し、⺟材であるマグネシウム合⾦押出材を、最⼩で直径0.03㎜の細線化を実現しています。

国⽴⼤学法⼈熊本⼤学 先進マグネシウム国際研究センター(河村能⼈センター⻑/教授)との共同研究を2013年より継続しており、鋳造法、急冷法の2通りの製造⽅法によるKUMADAI耐熱マグネシウム合⾦、KUMADAI不燃マグネシウム合⾦の線引加⼯を中⼼に研究を継続しています。

公表実績

2015年8⽉ ⽂部科学省にて鋳造KUMADAI耐熱マグネシウム合⾦ワイヤーの直径0.05㎜達成をプレスリリース

2018年5⽉ 当社にて急冷KUMADAI耐熱マグネシウム合⾦ワイヤーの直径0.03㎜達成をプレスリリース

2017年10⽉~2019年3⽉ 研究題⽬“⾰新的Mg合⾦製の⽣体吸収性医療機器開発” で、⽇本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム セットアップスキーム(ACT-MS)に熊本⼤学を中⼼に採択。

今後

熊本⼤学との共同研究を継続し、複数種のKUMADAIマグネシウム合⾦の線引加⼯技術の構築を展開しています。

特に⼤きく期待されている、Mg合⾦を⽤いた医療機器開発にも積極的に参加し、その他ワイヤー関係で事業化となり得る製品の獲得を⽬指します。

マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発
SEM像 針⽳に通る直径0.03㎜
KUMADAIマグネシウム合⾦ワイヤー
マグネシウム合金ワイヤの製造技術開発
製品⽤スプールに巻かれた
KUMADAIマグネシウム合⾦ワイヤー
Page Top